物言わぬ大衆

お疲れ様です。
奏です。

昔、美術……いや、エンタテインメント系の専門学校で講師をした事があります。
なぜ、そんな職業に就いたかを話すと長くなるので端折ります。

そこで感じたことは、モノづくりにはパターンがあると言うことです。
学校では、このテクニックを徹底的に教えます。
最新の教材も、また、講師用のマニュアルもあります。

アニメやコミックやノベルやゲーム……一見、センス最優先の業界で、そんなパターンが通用するのか? と思われるかもしれませんが、業界を支えているのは、そんなパターンをコツコツと身につけた職人たちです。

マスコミは、
「学校なんて行ってらんないよ」
「センスなんて教えられるもんじゃない。ましてや、現場でやってない講師の言うことなんて信用できない」
と言う学生にスポットを当てます。
あたかも、それが正解のように肯定的な演出をします。
受け手は、その方が面白いからです。
エンタテインメントだからです。

けど、そんな学生は、ほんの一握りです。
一握りの逸材を支えているのは、基本をコツコツと文句も言わず習得し、派手なパフォーマンスをしない多くの職人たちです。

そんな職人たちに言いたい。
「頑張って! 私は分かっているわよ!」